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図面の整合性


萩原さんから杉山の家の写真が届きました。

やっぱり私たちが撮るのとは全然違いますよね(^^)

そのうちにwebsiteにアップします。

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それでは、本題にはいります。


先日、工務店さんとお話している時に「実施設計、どれくらいの期間で書いてますか」と聞かれて
3か月。今回(多米の家)は店舗併用なので4か月かかりましたと告げると

「一体、何でそんなにかかるんですか?」・・・と。

私たちの場合、基本設計がまとまると、一通りざーっと実施図面のアウトラインを起こして、
お客さんと打ち合わせ。

スイッチ、建具の開き勝手、構造耐力壁の最終確認を行い、
これ以上変更がなくなった段階で構造計算にGoサイン。

それと平行して、仕上げ、外構、照明、コンセントなどの確認を行い、
構造設計が上がったら、構造図と意匠図の食い違いを修正。

こんな手順で仕上げるんですよと説明すると

「なるほど。それで原田さんの図面は整合が取れているんですね」と。

その工務店さん曰く、豊橋ではO先生と私が、
整合性の高い設計図を描く建築家の双璧なんだそうです。

だからちっとも儲からないのか・・(^^;)


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儲からないことは置いておくとして

設計事務所の家づくりは一品生産。
すべてが手作業での図面作成ですので、どうしても図面間の食い違いというのは起こります。

(建築分野でも、それを自動的に修正するソフトがようやく普及しはじめてますが・・・)

設計事務所や建築家は、「作り上げる作品自体が商品」と考える傾向にあるので
図面を商品と位置付けない方が多くいます。

図面は、商品である作品を作るための手段に過ぎず、
食い違いがあっても現場で修正すればOK。間違いがあって当然・・という考え方です。

この「図面は間違いがあって当たり前」という感覚は、
お客さんの立場からすると、極めて理解できないことだと思うのです。

高い設計料を支払って依頼したのに、受け取った図面に間違いがあって当然なんて。

私自身、アトリエ事務所におりましたので、建築家サイドの言い分も分かるのです。

ただ、やはり、良いものを作ろうと思えば、
図面の精度を高めて、現場での混乱や後戻りを避けるように心がけることは必要なこと。

そういった観点から、私たちの事務所では図面精度を上げることに努めてました。

結果、お客さんに対しても、食い違いの少ない図面をお渡ししていることなのですが、
お客さんからの信頼を損なわずに済んでいたのかもしれません。

それだけ気を配っても、どこかで間違いは起きてしまいまして、
それを補うために、工務店からの質疑や現場での定例打ち合わせがあるわけです。

ということで・・

修正可能なミスについては暖かい目で見てくださると幸いです。


 ※今進行中のどこかのお宅でミスしたとか、そんな訳ではありません。念のため..(^^)



<2014.10.29 はらだひさし>
by dikta | 2014-10-29 12:33 | 想い | Comments(0)
設計監理とはこういう事です。

昨日、工事監理のご報告をしたことにより、ひとつの家づくりが終わりました。

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この家づくりの、最初の打合せから工事完了までの記録はA3ファイル6冊にのぼります。

これらの書類は、お客さんとの打ち合わせだけでなく

・ 工務店との打ち合わせや折衝の記録
・ 施工報告や施工図のチェック
・ 検査の記録
・ 変更や確認の記録

などを克明に記録したものです。

設計監理を行うとはこういうこと。

図面を書くことだけが設計事務所の仕事ではないのです。


クライアントの家づくりを守る。

それが私たち設計事務所の一番の仕事です。





by dikta | 2011-06-26 19:57 | 想い | Comments(0)
住まいは、住まい手のもの。
今まで設計を続けてきて、良いものを作りたいと思う心に変わりはないのですが、
その良いものの基準が、齢を重ねるにつれ、少しづつ少しづつ変わってきています。

若い頃はとにもかくにも自分に自信があって
自分が良いと思うものがお施主さんにとっても最高と
根拠のない自信に満ち溢れておりました。

そういった姿勢で設計した建築は
背筋のピンとする潔い空間となったりするのですが
あくまでもそれは、他人から見てのことであって
住まい手が実際に住んでみてどうなのかといった
しごく当たり前の感覚が欠如していたりもいたします。

それはそれで勢いがあって良いのかも知れません。

しかし、年を重ねるにしたがって、
そういった感覚に違和感を覚え始めます。


「住まいは、住まい手のもの」


これに気がついた時、
設計に対する肩の力が抜けて
施主の価値観を愉しむゆとりが出てまいります。

あたりまえ過ぎて、
ともすれば、なおざりにしていたかもしれないこの姿勢を
今後はしっかり意識して
設計の活動をしてまいりたいと思います。

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by dikta | 2011-02-01 11:17 | 想い | Comments(4)
生死を分けた一枚の壁・・・神戸の震災判定ボランティアにて

「おばあちゃん、この建物危ないから・・・次の揺れがあったら絶対に崩れてしまうから、この中に入っちゃダメですよ」

15年前、慣れない避難所で生活するより、死んでも良いから住み馴れたこの場所に残りたいというお婆ちゃんに私が言った言葉です。

ほとんど崩壊寸前の木造アパートは、本当に辛うじて建っているのが不思議なほどの老朽ぶりでした。

地震によって外壁が崩れ落ち、本来露見するはずの柱がシロアリに食い尽くされてまったく無くなっていたのです。

辛うじて建っているのが不思議なほどの老朽ぶりで、一緒に廻っていた他の建築士の方と思わず顔を見合わせたような状況です。


この建物を辛うじて支えていたのは、筋違も木摺も入ってない、耐力壁ともみなされないような一枚の壁です。


構造計算上は、90cm以上の壁は耐力壁としてみなさず、壁が無いものとして扱います。

ところが、実際に地震があったときなどは、こういった余力が最後の最後で生死を分けるかもしれない・・・・

耐力壁にはみなされない壁を考えている時、いつもそんなことを思いながら、図面を書いています。
by dikta | 2010-01-19 18:14 | 想い | Comments(0)
神戸の震災判定ボランティアで感じたこと

阪神淡路大震災から丸15年になります。

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<写真  6階部分が完全に崩壊した神戸市役所>


建築判定ボランティアとして被災地に赴いたですが、その時の神戸の惨状は終生忘れることが出来ないことでしょう。

「こんなにも建築って脆いものなのか・・・・」

「建築がこんな壊れ方をするものなのか・・・」

建築を学び、建築設計の実務に携わっていた者にとっては、あまりにも衝撃的な光景であり、ともすればデザイン重視の傾向にあった私の設計スタンスを、根底から考えなおすことになります。

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<写真  震災1ヶ月後の神戸の様子。傾いた建物が随所に・・・・>


当初、神戸の惨状を撮影するのは相当の躊躇いが生じました。

震災から1ヶ月が経過し、神戸の方たちも少しずつ平静を取り戻しつつある時期になり、それまで遠慮して控えていた建築の破損状況の写真を撮影しはじめます。

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<写真  鉄筋コンクリート柱の崩壊の様子>


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<写真 柱と梁の溶接がずさんだった為に崩壊した鉄骨造建築>


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<写真  細い通し柱が木造在来工法の弱点に>


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<写真  断面欠損が大きい為に折れてしまった通し柱>


判定ボランティアとして、倒壊したり損傷した多くの建物を見て 「地震で壊れる建物は壊れるだけの理由がある」  と言う事に気が付きます。

それは構造の種別云々といった事ではなく、建物の古い新しいといった話でもありません。

鉄筋コンクリートも鉄骨造も木造も、壊れるだけの理由があるものが壊れていますし、古い木造の建物であっても、壊れる理由の無いものはキチンと残っています。

それらの事は一口で語ることは難しいのですが、そいうった経験も、私の設計やスタンスに取り入れて設計活動をするように心がけています。
by dikta | 2010-01-17 11:58 | 想い | Comments(0)
スタッフ募集のお知らせ。

私たちディクタ建築事務所では、将来私たちの事務所を一緒に背負って立つ人材を募集します。

まずはじっくりと仕事を覚えて貰いながら、ゆくゆくはディクタ建築事務所の設計の最前線で活躍いただき、事務所の運営にも参画してくれる方の応募をお待ちしております。

※ 2009年9月時点で募集は締め切らせて頂きましたが、私たちと一緒に仕事をお考えの方はご連絡ください。
  次回のスタッフ募集時に優先的に連絡させていただきます。


■対象者

・大学、高専、専門学校で建築もしくは住居を専攻していた方。
・男女問わず。年齢27歳くらいまでの方。       
・一種類以上のCADが使える方。(主にJw-winを使用しています)
・明朗で人となにかをやり遂げることが好きな方。
・建築および建築設計が好きで、技術習得の意欲がある方。


■給与

・給与は経験に応じて。 委細面談にて。


■ご連絡  

・採用希望者はメーでご連絡下さい。
・面接には学校の課題や過去の実務などをお持ち下さい。


■採用までの流れ

下記の手続きを経て、最終的な採用を決定いたします。

1.まずはメール にてお問い合わせください。
2.書類選考(簡単な履歴。ポートフォリオを郵送またはメールで送ってください。)
3.面接
4.試雇期間(2~3ヶ月)

当社への就職を希望される方は、まず履歴書、ポートフォリオを郵送してください。
また、不明な点などありましたら、メール にてお問い合わせください。


※ 私たちの会社ではお客様の要望を最大限に尊重し、その中にも設計者の個性が微かに感じる家づくりをしたいと考えています。 華々しく建築雑誌に掲載したいとか、自己主張の激しい建築を作りたいとお考えの方はご遠慮ください。





by dikta | 2009-08-18 10:51 | 想い | Comments(0)