今年は特に慌しい年で、本を読む時間が取れませんでした..
数少ない中から面白かった本をご紹介。
「凍土の共和国(金元祚)」
1984年に出版された古いものですが、北朝鮮がらみで話題になっていたことから興味を持って購入。二十年前に、北朝鮮へ帰国した兄と妹に会うべく訪鮮した著者が見た、想像を絶する北朝鮮の実情を描いた作品です。
日本では、北朝鮮のことを「地上の楽園」と長きにわたって報じられていましたが、朝鮮総連系のコミュニティーでは北朝鮮の過酷な実態が帰還事業を契機に知られるようになったそうです。その証拠に4年目以降、帰還人数が激減しています。
「メディアは死んでいた(阿部雅美)」
北朝鮮がらみで、もう一冊。
昭和55年(1980年)元産経新聞社会部記者の阿部雅美氏が、初めて拉致について報道します。
しかし日本では、長い間「拉致などない、単なる家出だ」として扱われてきました。阿部氏のスクープも誤報扱いとされてしまいます。
北朝鮮の実態が状況証拠を積み重ねれば把握できる状況であったにも関わらず、日本の政治家、官僚、メディアはあまりに愚鈍。
拉致被害者とそのご家族たちの心情を思うといたたまれない思いです。
来年はもうちょっと多く本が読めるといいなぁ..