住まいは、住まい手のもの。
今まで設計を続けてきて、良いものを作りたいと思う心に変わりはないのですが、
その良いものの基準が、齢を重ねるにつれ、少しづつ少しづつ変わってきています。

若い頃はとにもかくにも自分に自信があって
自分が良いと思うものがお施主さんにとっても最高と
根拠のない自信に満ち溢れておりました。

そういった姿勢で設計した建築は
背筋のピンとする潔い空間となったりするのですが
あくまでもそれは、他人から見てのことであって
住まい手が実際に住んでみてどうなのかといった
しごく当たり前の感覚が欠如していたりもいたします。

それはそれで勢いがあって良いのかも知れません。

しかし、年を重ねるにしたがって、
そういった感覚に違和感を覚え始めます。


「住まいは、住まい手のもの」


これに気がついた時、
設計に対する肩の力が抜けて
施主の価値観を愉しむゆとりが出てまいります。

あたりまえ過ぎて、
ともすれば、なおざりにしていたかもしれないこの姿勢を
今後はしっかり意識して
設計の活動をしてまいりたいと思います。

住まいは、住まい手のもの。_d0144114_11151810.jpg






























by dikta | 2011-02-01 11:17 | 想い | Comments(4)
Commented by もよ at 2014-10-21 19:55 x
施主の価値観を愉しむゆとり…いいですね。

若い建築家さんの、がむしゃらともいえる情熱も好きですが、経験を重ねた建築家さんの、クライアントにそっと寄り添うようなやさしさも好きです。
Commented by 原田久 at 2014-10-22 12:44 x
もよさん、こんにちは。コメントありがとうございます!

まさにおっしゃるようなクライアントにそっと寄り添うような住まいが作りたいのですが
まだまだ道半ばといった感じです..精進してまいります。
Commented by もよ at 2014-11-02 09:04 x
原田さま、お返事どうもありがとうございます。お写真で拝見するだけですが、暮らしている方の笑顔が伝わってきそうなすてきなおうちばかりですよ。(^^) Diktaさんのクライアントさんは幸せだと思います。これからもいいお仕事を続けてくださいね。遠くからこっそり応援しています。
Commented by 原田久 at 2014-11-03 08:49 x
もよさん、再びコメントいただきありがとうございます。
そんなふうにおっしゃていただくと、とても嬉しくてげみになります(^^)ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします!


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