SE構法の採用について(木造在来工法と鉄骨造との比較)

大空間が必要な場合とか、プランニングに偏りがあるケースなど、木造在来工法では難しい場合があります。

木造在来工法が筋違いや耐力壁が必要なのに比べて、鉄骨造は柱と梁のみで構成することが可能です。

鉄骨造の最大のメリットは、自由度の高いプランニングが出来ることにあります。ひと昔前でしたら、木造も鉄骨もコスト的に差が無かった為に、比較的容易に鉄骨造を採用することが出来ました。

しかし鋼材費の高騰した現在では、鉄骨造と木造在来工法とのコストに大きな差が出てしまいます。

鉄骨造の建物は木造在来工法に比べて坪当たり10万円ほどの増額となります。

50坪の住宅でしたら500万円の増額でありまして、建築主にとってけっして少ない金額ではありません。

実を言いますと、予算的な事情から鉄骨造を諦めなければならないケースもいくつかございました。


ところで、木造在来工法の最大の弱点は、柱と梁の接合部にあります。

鉄骨やコンクリートのその部分を「剛構造」と呼ばれるのに対し、木造では「ピン構造」と呼ばれ、梁から伝わった応力を柱に伝えるには難しい構造とされています。

その接合部の弱さを筋違などの耐力壁で補ってまいりました。



この木造在来工法の最大の弱点である、柱と梁を金物で固め、鉄骨造に近い考え方で木造建築を構築する SE構法  とうい工法があります。

重量鉄骨ならぬ「重量木骨」と銘打つこの構造方法は、無印良品の家 で採用している工法と言えば知ってる方が多いのかも知れません。

木造在来工法に比べて壁量の制限が少なく、壁量の少ない自由度の高いプランニングが可能となります。

長野オリンピックアリーナ「エムウェイブ」のように大規模な木造建築の為に開発された技術で、大空間を構築することが出来ます。

コスト的には、木造在来工法の坪単価より5万円ほどのコストアップになります。

鉄骨造の目安が木造在来工法の坪単価から10万円ほどですので、SE構法は木造在来工法と鉄骨造のちょうど中間くらいと言えます。

たとえば50坪の住宅でしたら250万円の増額となります。

この位の差額になりますと、仕様を抑えるとか、プランニングを工夫して面積を抑えるとか、あるいはもう少し頑張って借入を増やす事なども検討いただける余地も出てまいります。


メリットの多いSE構法ですが、登録工務店しか施工ができませんので、施工可能な工務店が絞られてしまいます。

数年前は私たちの地域ではまだ登録工務店が少なかった為に、この構法を採用するに至らなかったのですが、最近では豊橋・豊川でも登録工務店が増えてきましたので、東三河地区の私たちもSE構法を検討することが出来るようになりました。

以上の事情から、私たちの事務所ではSE構法を検討する機会が増えています。

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(新城で設計を進めてるこの店舗併用住宅もSE構法を採用しています。)


SE構法 「重量木骨の家」 http://www.ncn-se.co.jp/
by dikta | 2010-01-24 07:24 | 設計のこと | Comments(0)


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