住宅を設計するときに気をつけていること

私たちが住宅を設計するときに気をつけているのは、「魅せる物と隠す物を明確にする」ということです。

特に、シンプル住宅を希望される方は、隠すこと、目立たせたくない物が多くなると思うのですが、シンプルなゆえに少し気を抜いただけでたちどころにそこが目立ってしまいます。


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                          ↑  豊橋市「住吉の家」 LDKと中庭


① 隠せるものは隠す。
  → 隠せないものは、目立たなくする方法を考える(目立たない場所、目立たない形)

② 揃えるところは揃える。ずらすところはずらす。
  → 中途半端なずらし方は、視覚的なノイズを発します。(間違ったのではないかと認識)

③ あれもこれも盛り込むのではなく、魅せたい物、やりたい事を絞って効果的に。
  → 要素は少なく。(要素が多ければ多いほど分裂のリスクが増える)

特に設備には注意が必要で、エアコン、エコキュート、基準法上の換気扇については、早い段階から計画に織り込んでおきたいものです。

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                           ↑  豊橋市「住吉の家」 子供部屋

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                       ↑  豊橋市「住吉の家」 ご主人様の部屋


■インテリア計画上気をつけたいこと。

㋐ エアコン
  →目立たない場所に。
  →ルーバーで目隠しする時は、ルーバーのピッチを慎重に。
  →室外機の位置と室外機までの配管が外観を損なわないように注意。

㋑ 換気扇
  →家全体の換気計画を考えて、目立たない所から排気。

㋒ スイッチ、コンセント、インターホン、火災警報器など
  →使いやすくて目立たない場所に。
  →スイッチは魅せる手もあり。(トグルスイッチ、レビトン、)

㋓ 照明
  →魅せる照明と目立たせない照明の使い分け
  →ダウンライトは大きさと照度のバランスを考えて
   (メーカーの提案は照度の高い提案をしてきます)
  →ミニクリプト球の使用は良く考えて

㋔ カーテン・ブラインド
  →カーテンにするのか、ブラインドにするのか
  →ブラインドBOXやカーテンレールを隠すか、そのまま見せるか
  →ブラインドなら壁内に隠蔽可能

㋕ ドアノブ、引き戸金物
  →より目立たない形状、あるいは遊び心のある面白いドアノブを見せるか。
  →金物にするのか、あるいは建具を掘り込むのか
  →家具金物は、つまみ、プッシュラッチ、建具への掘り込みにするか

㋖ 窓、扉
  →形状、大きさ、色、枠の納まり
  →どこに揃えるのか
  →全体のバランス
  →照明レイアウトとのバランス


■外観デザインを考える上で気をつけたいこと。

㋐ 照明
  →見せるのか、隠すのか。

㋑ エアコン室外機、エアコン配管、エコキュート、プロパンガス、給湯設備
  →徹底して隠す。(見えないところへ配置。)

㋒ 引きこみ電線
  →引きこみ柱(コストアップ)
  →引きこみ柱が無理なら、建物本体へ目立たない位置から引きこみ
  →電気メーターの場所に注意

㋓ アンテナの位置
  →電波が届き、かつ外観デザインを損なわない場所に
  →境界線を越えない位置に

㋔ 電気メーター
  →外観デザインを損なわない場所に

㋕ 雨樋、トイレ配管
  →目立たない場所に
  →2階のトイレ配管はPS(パイプシャフト)も検討
  →雨樋を露出する時はシャープな雨樋を目立たない形状で
   (なるべく曲げない)

㋖ 浄化槽、雨水枡、汚水枡を目立たない場所へ
  →外構グランドデザインを損なわないように最小の数量で。


これらのことを計画段階のうちに検討するだけで、なんでもない空間が見違えるほどよくなります。是非お試しください。



<2012.03.30 ディクタ建築事務所 原田 久>
by dikta | 2012-03-30 11:33 | ..雑感戯言 | Comments(0)


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