無理が通れば道理が引っ込む


建築家のマッチングサイトで見つけた竣工写真。そのキャプションを見て、


あれ?このお店の名前、聞き覚えがあるぞ・・・と。


その建物は、今から10年前、学生時代の同級生が監督として携わった物件。

工事を請け負ったゼネコン内部で検証し、「この設計ではまずい」 となり、設計事務所に設計変更を具申したもののその提案は却下。

設計どおりに施工したら鉄骨がたわみ、壁や床にクラック発生。

設計事務所からは「施工ミス」とあげつらわれてしまい、同級生が苦慮していることを聞きました。豪胆な彼からはとても想像出来ない姿に。

建設業界では設計事務所は絶対の存在。無理が通れば道理が引っ込む世界。ともすれば建築家は自らのデザインを優先するあまり、機能をないがしろにする傾向にありますから、これに類する話はわりとよく耳にします。

きれいな竣工写真からは、そのようなドタバタ劇は伺い知ることは出来ません。


ところで、Casa BRUTUS特別編集 「21世紀・日本の名作住宅」 に建築家住宅にあこがれる方への「家づくり究極アドバイス」が掲載されています。


◎ 細かい希望は言いません。

◎ リスクはつきもの、覚悟の上で。

◎ 油汚れは1時間以内に取るべし。

◎ 揚げ物はしない。

◎ 寒さ暑さは覚悟の上。

◎ 寒さは慣れる、慣れるが勝ち。

◎ 階段は注意力でカバー

◎ 壁と屋根があれば家なのです。


雑誌に掲載されるような、あるいは建築賞を受賞するような作品性の高い住宅に住むには、思い切った割り切りと相応の覚悟が必要なのかもしれませんね。


<2013.12.24 ディクタ建築事務所 はらだひさし>
by dikta | 2013-12-24 17:04 | 設計のこと | Comments(0)


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